思いを込めて、貴方に幸あれ
いつの間にか年末と言う雰囲気に押され
いつもと同じに進み時間のはずが、どこか忙しく
アッと言う間に朝から夜になってしまし
12月31日の終わりを告げる108の鐘が鳴ると
新しい年の1月1日が始まる。
旧月の急がしさとはうって変わり
ゆっくりのんびり流れる時間に
気持ちまでゆっくり過ごすが
時間の流れは同じで
のんびりとした時間は新学期と言う名の
学校始まりで終わりを告げた。
年末と年始を追え普通と言う日々に戻り
学校に通い、朝・昼・夕方にクラブ活動をする為
専用のグランドに入ると鼻歌交じりでリフティングをしている
生徒に監督が怒りを含んだ言葉がかかるが
返事はするものの、まったくと言って意味を理解してておらず
数分後には更に怒りを含んだ声が飛んだ。
「あのままだと、監督、また倒れますね」
「あぁ、なんとかしようとは思うんだが・・・・・・・・」
「ほっとけ。アイツの事だ、くだらねぇ事で浮かれてるんだろ」
監督と呼ばれた中年男性に怒られながらもまったく反省の色は無く
緩みきった笑顔で受けている姿を遠くから見ていた人達は
そんな光景をいつもの事として目に入れながら更に話を進めた。
「くだらない事ですか?」
「あぁ?どうせ年賀状を貰ったとそんな事だろ」
「年賀状ならオレ達も貰っているのは藤代も知っているはずだが」
「そうですよね。宿舎に戻って来た時に見せ歩いて三上先輩に
怒られていたじゃないですか。キャプテンは心辺りは無いんですか?」
「どうして渋沢に心当たりがあるんだよ?」
「選抜でナニかあったんじゃないかと思いまして」
今も怒られている藤代と呼ばれた少年を見ながら
更に話は進む。
「いや、年賀状の事は選抜でも同じ行動をして椎名に怒られてたよ。
他に思い当たる所は無いが・・・・」
「じゃぁ、いったいなんなだよ」
「三上先輩気になって仕方ないんですね」
「笠井、お前もソウじゃないねぇか」
「気になりますよ。誠二の事だからあんなに喜ぶのは
彼女の事でしょうから」
「やはりそうなんだろうか」
「他にナニがあると言うんだ?吐かすか」
三上の言葉に一斉に
頷き声ではなく目で語り合い計画し実行に移す。
実行は本日の夜
就寝前の自由時間
場所は藤代の部屋
そして・・・・
時は来た!
「さぁ、吐いて貰おうか。藤代」
自室に何時の間にか集まった先輩2名と
友人の言葉と雰囲気にナニか良くない事を感じ
後ずさりをしながら言葉を返した。
「ナニがですか?」
「最近、誠二が嬉しそうにしてるからナニか良い事でも
あったのかなぁ。て、思ってさ」
見たままの感想を言われ
「このままでは桐原監督がまた倒れかねないからな」
取って付けた理由だと解るが言葉的に反論できず
「と言う訳だ。素直に吐きやがれ」
にんまりと笑った顔と言葉は秘密を確信を表していた。
見抜かれている!!
本人は必死になって隠していたつもりが目の前にいる3人には
丸解りで尚且つナニかあると核心までされ
逃げようがない事を本能が感じた。
が、簡単に話す気は無ない。
「別に何でもないスよ!
竹巳やキャプテン、三上先輩の思い違いです」
焦った表情に逃げ腰の態度で出された言葉に
今のはウソです。
と、表されており3人同時に溜息を付いた。
「誠二・・・正直に話した方が身の為だと思うよ」
親友として藤代の身を案じ言葉をかけるが
時既に遅かったのか三上が行動に出ようとしていた所を
やんわりと渋沢が止めに入り
最悪の事態は免れ
「ねぇ誠二。
もしかしてコノ手紙が原因なんじゃないの?」
散らかった机の上から大事に置かれていたものの
何度か読み返しているのか所々に汚れや破れたがあり
宛先を書かれている文字は達筆とは言えないものの
クセ字が無く誰が見ても読める字で藤代宛に書かれていた。
裏を返せば差し出し人の名前があり
手紙を持っていた笠井は黙読で読み上げた。
沈黙と共にどこからか刺す空気が流れ始める
真っ青な表情をした藤代
怒り始めている三上
三上を宥めようと必死に何かを言っている渋沢
勝手に送られて来た手紙を読んでいる笠井
どこか遠くのご近所から聞こえてきたイヌの遠吠えで
戦いの幕は切って落された。
秘密を守る為に戦う藤代 VS なんとしても秘密を言わそうと戦う三上
「どうして、バカ代が手紙を貰っているのか吐いて貰おうか」
「俺、ナニをされても言いませんから!」
「ほぉ・・いい度胸じゃねぇか」
言い合いから手が出始め、暫くすると足まで出始めたケンカを他所に
三上を止める事を諦めた渋沢と手紙を呼んでいた笠井が
送られて来た手紙の中身に付いて話ていた。
「と、言う事らしいのですが、コノ中には入っていないんですよ」
「じゃぁ、藤代が付けているんだろうな」
2人の視線は三上に蹴られている藤代に手首を見るが
「無いですよね。違う場所に付けているのでしょうか?」
「普通は手首に撒くはずなんだが・・・・いったいドコに付けてるんだ?」
「調べてみますか・・・・」
呟く様な言葉を言うと
「三上先輩!
誠二のドコかにちゃんからのミサンガが付いてるはずなんですよ。
ボクの予想では足首だと思うんですけど・・・・」
藤代を取っ組み合いをしている三上に声をかけ
藤代の足首を見る様に言うと
三上は笑い、おもちゃを操るように簡単に藤代の足首を掴み上げると
右足首にオレンジ色のミサンガが撒かれていた。
「手作りか・・・・・・」
近くで見ていた三上がミサンガの感想を言うと
「ちゃん手作りの誕生日のプレゼントらしいですよ。
ついでに言うと封筒内には手紙とカードも入っていました」
手に持っていた封筒と手紙を見える様に手に持ち
笠井が言葉と言うと
「嬉しくてずっと笑顔だったのか・・・・・」
納得出来た。と首を上下に動かす渋沢
三者三様の動きの中、三上に足首を捕まれた藤代が声を上げる
「いい加減反してくださいよ!コレは俺がちゃんから
貰った物なんですから誰にも渡しませんからね!!」
「誰がいるか!!」
間髪入れずに三上の言葉が帰るが
三上の言葉だった為か信用出来ないという眼差しで藤代が
3人を見ると苦笑しながら渋沢が藤代を宥めた。
「三上も俺も笠井も誰も取らないよ。
それにちゃんが藤代にと編んだモノだ。
そんな事をすればちゃんも悲しむしな」
無くさない様にするんだぞ
苦笑ですら穏やかな微笑みに見える渋沢の言葉に
先ほどの怒りは消えたらしく
「もちろんですよ!」
いつもの笑顔で返す。
そして数十日後
三上の元に1通の手紙が届き
22日から三上の右手首には灰色のミサンガが巻かれていた。
誕生日おめでとう。
今日と言う日がとても嬉しいです。